ケーキやパイなどの焼き菓子は、欧米では古くから親しまれ、英語のイディオムによく登場します。今回は、「ケーキ」 を使ったイディオムを5つご紹介します。
1. piece of cake 「とても簡単なこと」
元々、a piece of cake は「ケーキ1切れ」という意味です。1切れのケーキをペロリと食べてしまえるくらいに簡単、ということから「簡単」「朝飯前」という意味で使われます。
“Can you really do it?” 「本当にできるの?」
“Yeah, it’s a piece of cake!” 「ああ、簡単さ!」
No piece of cake. だと「決して簡単ではない」という意味になります。
Learning kanji is no piece of cake. 「漢字を覚えるのは決して簡単ではない。」
2. icing on the cake 「さらに良いこと/楽しいこと」
スイーツ好きの方はご存知かと思いますが、アイシングとは、クッキーやケーキに塗る、砂糖衣のことです。
I had so much fun at the party, and the icing on the cake was the wonderful present they gave me. 「パーティーはとても楽しかったし、さらに嬉しかったのは、彼らがくれた素敵なプレゼントよ。」
お菓子に振りかけた粉砂糖のことはフロスティング(frosting)と言います。frosting on the cake も icing on the cake と同じ意味で使われます。
3. cakes and ale 「人生の楽しいこと」「良いとき」
ale とは「ビール」「エール」のことです。イギリスの作家サマセット・モームの作品に「お菓子と麦酒(Cakes and Ale)」という小説がありますね。
Life is not all cakes and ale. 「人生は楽しいことばかりではない。」
4. have cake and eat it too「両方いいとこ取りをする」
直訳すると「ケーキを持っていて、なおかつそれを食べる」となり、ここから「同時に両方いい思いをする」「両方いいとこ取りをする」という意味で使われます。
You can’t eat your cake and have it too. 「両方いいとこ取りはできないよ」のように、否定文でも使われます。本来は、こちらの語順だったようです。
5. take the cake 「飛び抜けて素晴らしい」「ばかげた」「最高」
19世紀に行われたcatwalkというコンテストで、一番奇妙な歩き方をした人が、商品としてケーキをもらえたことが由来のようです(このコンテスト、見てみたい)。
元々は、ほめ言葉だったのが、今では皮肉を込めて使われることも多くなりました。
That’s the funniest joke I’ve ever heard. It takes the cake. 「今まで聞いた中で一番面白いジョークだよ。最高だね。」
こちらは、アメリカ英語で使われる表現で、イギリス英語ではケーキではなくビスケットを使って、take the biscuitと言います。
英語ができるようになって、世界が広がると… That’s the icing on the cake! です。皆さんの人生に、さらに良いことや嬉しいことが起こるといいですね!🍀